エナジードリンクをレース前に飲んでもマラソンのタイムは改善しないだろう理由
そこまで多くはありませんが、私が知る限り何人かのアスリートはレース前にエナジードリンクを飲んでいたりします。
巷では”魔剤”なんて呼ばれていたりするぐらいですし、効果ありそうなものですが実際はというとそこまで効果ないと言って良さそうです。
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エナジードリンクを飲んだところが効果は薄いだろう理由
前提を覆すようなことを書きますが、エナジードリンクに含まれるカフェイン自体には持久系スポーツのパフォーマンスを上げるだろう効果があります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19077738
上記内容を簡単に書くと、
- カフェインを飲んだアスリートは、平均で3%ほどパフォーマンスがアップした
- カフェインの効果は最大で17%にも達した
とあります。
参考https://yuchrszk.blogspot.com/2016/08/blog-post_91.html
最初にも書いたとおり、エナジードリンクにはカフェインが含まれていますからレース前に飲むとパフォーマンスを上げる効果は十分期待できると言って良いとなりますね。
……しかし、問題はカフェインの含有量です。
エナジードリンクに含まれているカフェイン量では足りない
先程あげた研究によると。
平均、体重1kgあたり3~6mgのカフェインを飲む必要がある
とあります。
エナジードリンクのカフェイン含有量は100mlあたり、30~50mg程度です。
成人の体重は少なくとも50kgはあるでしょうから、必要なカフェイン量は最低でも150mg以上。
エナジードリンク1本は、多くても350ml程度ですから、一度に取れるカフェイン量はぎりぎり届くか届かないかです。
つまりはエナジードリンクに入っているカフェインでレースのパフォーマンスを上げることは可能ですが、量が足りないため実際には効果がないと言って良いという話であります。
ちなみにカフェインの連続摂取で効果は出なくなる
カフェインを摂取すること自体の効果は保証されてますから、この記事を読んでカフェインを飲んでいようと思う人もいるかも知れません。
そんな人に注意なのが、カフェインはかなり早い段階で耐性ができるということです。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6343867/
上記内容から、
有酸素運動の能力については、カフェインを飲んだ初日だけ爆上がりするが(効果量2.3)、そのまま同じ量を飲み続けると、6日あたりでほぼベースラインにもどってしまい、その後はほぼ飲む意味がなくなる(効果量0.4)
ということがわかります。
参考https://yuchrszk.blogspot.com/2019/06/blog-post_84.html
2日連続で飲んだ時点で、初日と比べるとパフォーマンスアップの効果はかなり低減するため、本当に大事なレースのときやトレーニングの場合にのみ使用するのがおすすめです。
※摂取タイミングですが、カフェインは飲んでから大体15~45分で効果を発揮するので30分前ぐらいに摂ると良いかと思います。
カフェインの耐性はどれぐらいでなくなるのか
カフェインを使った場合の効果は初日のみ大きく感じられるわけですが、だからといってその後は延々カフェインの効果を得られなくなるわけではありません。
おおよそではありますが、7~14日でカフェインを抜くことができると考えられていますので、大事なレースがある場合はそこから逆算してカフェイン断ちをしておくとよろしいかと思います。
平均3%のパフォーマンスアップと聞くと大した事なさそうではありますが、マラソンを4時間で走る人ならそこから7分ほどタイムを縮められると言えるわけですから結構大きいんじゃないでしょうか。
話がだいぶ脱線してしまいましたが、まとめると
- エナジードリンクはカフェイン量が足りなくて微妙
- カフェイン自体の効果は結構ある
- カフェインを使う場合はカフェイン断ちが重要
という話でありました。
現実的に短時間でカフェインを摂取するなら錠剤を使ったほうが良さそうではありますが、一応エナジードリンクを少し多めに摂取すれば必要量摂取することも可能なのでその方針でやってみてもよいかとは思います。