乳酸が疲労物質は間違い、本当の疲れの原因は?
2014/11/04
練習を行い、脚が練習によって動かなくなってくると
「乳酸きてるわー」
とついボヤく事がありますね。
はいそれ、間違いです!
昨今といいますか、何年が前ぐらいに乳酸が疲労の原因ではないことが解明されています。
「まじかよ信用ならねぇ!」
と思うのも致し方無い話。ですが乳酸が疲労物質というのは誤った知識であることは間違いありません。
乳酸を疲労物質であるかのように扱ってしまったら「ぷぷ、あいつ間違ってるよ(笑)」と後ろ指さされながら、笑われてしまいますよ。
以下、乳酸についてまとめましたので、一読して正しい知識を身につけましょう。
photo credit: wyn ♥ lok via photopin cc
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乳酸とは何か
まず基本、乳酸について。
乳酸は糖(グリコーゲン)を使ってエネルギー生産をした時に同時に生成されます。
豆腐を作る際に出来る”おから”みたいなものと考えれば良いです。
これが何故疲労物質のように扱われたかというと、時代は100年ほどさかのぼります。
当時の研究で疲労した肉体の血中に乳酸が多く存在することを発見しました。
その事実から乳酸によって、中性に保たれている身体が酸性に傾けられ肉体が疲労すると考えられ『乳酸=疲労物質』と謳われるようになったのです。
100年も前ですから仕方ない感じもしますが、この研究結果のせいで現代まで間違った知識が受け継がれることになってしまいました。
乳酸の本来の効果
乳酸の本来の効果はエネルギー源である説が有力です。
研究の結果からエネルギー生産の過程で生まれた乳酸は運動中、運動後関わらず常に消費されていることがわかりました。
このことから乳酸はエネルギーとして使用されていると考えられています。
なぜ乳酸が疲労物質ではないとなったのか
さて重要な話。
乳酸が疲労物質ではないと考えられるようになった理由についてです。
これは単純に先程も書きましたが、乳酸は運動中、後関わらず常に”消費”されています。
消費されている以上、疲労の原因ではないという考えです。
もし疲労の原因だったら消費されず排出されると考えられますからね。
実際の疲労の原因
FF(ファティーグ・ファクター)と呼ばれるタンパク質が考えられているようです。
これは肉体的疲労はもちろん、精神的疲労にも大きく関わっています。
発生する例
・細胞が傷つく、つまり筋肉に強い衝撃が与えられる(肉体的疲労)
・興味のない映画を二時間見せられる(精神的疲労)
このFFによって脳に疲れたよーと信号が送られ、細胞の機能が低下してしまいます。
またFFは蓄積すると細胞死が促進されて、生活習慣病を引き起こす原因にもなると言われています。
疲労の解消方法
疲労の解消するにはどうすれば良いのか。
それはFR(ファティーグ リカバー ファクター)と呼ばれる物質を体内に増やすのです。
FRはFFが体内に現れると機能し始め、傷ついた細胞を修復、FFを除去する作用があります。
つまりFRを増やせば疲れと縁遠い体になるのです。
FRの増やし方
いくつか方法がありますので紹介していきましょう。
・運動
運動をするとFFが増えます。それに反応し、FRも増えます。FFは運動後30分程安静にすれば無くなっていきますが、FRは運動後数時間は体内に残り、FFを除去します。少し体を動かしその後休むことが疲労回復に一番良い運動の仕方です。
・入浴
41度以下のぬるめのお湯に10分ほど浸かるとFRを出すことができます。
このとき熱すぎる温度ではいけません。心臓に負担をかけたり、のぼせてしまったりで体力を使い逆に疲れます。
疲労が色濃いからといって無理に長湯をするともっと疲れていきますよ。
・食事
食事もFRを増やす良い機会です。
FRは「イミダゾールジペプチド」というアミノ酸化合物を摂取することで増やすことができます。
イミダゾールジペプチドが体内でFRを作るのを助ける働きがあるからです。
サプリメントや食事で摂ることができます。
食事で取るなら、鳥の胸肉や魚の赤身(カジキやマグロ、カツオなど)豚ロースなどでしょうか。
・睡眠
FRを増やすうえで最も必要なのは睡眠です。
起きているとそれだけで脳を使ってしまいどんどんFFが増えていきます。FRの回復速度が追いつけません。
脳を休めFFを増やすのを止め、FRによって回復することが疲労回復に最も効率が良いと言えます。
まとめ
・乳酸は疲労物質ではない
・疲労の原因はFF(ファティーグ・ファクター)
・疲労回復するにはFR(ファティーグ リカバー ファクター)を増やす
・FRは適度な運動、ぬるめのお湯に入浴、睡眠が大事
・食事で増やすなら「イミダゾールジペプチド」を摂る